
続いてステップ10、11、12。今度は、毎日の習慣の提案でもあり、AAメンバーとして生きる基盤といってもいいと思います。日々、そして生涯やっていくべきことです。
ステップ10
自分自身の棚卸しを続け、間違っていたときには直ちにそれを認めた。
Continued to take personal inventory and when we were wrong promptly admitted it.
AAワールド・サービス社の許可のもとにより再録
…もう、この通りです。
日々の棚卸しです。「しまった! やっちゃったー!」みたいなことがしょっちゅう起きます。失敗したり、怒ったり、良くないことしちゃったりとか。
…こうしたネガティブなことばかりでなく、ポジティブな方面でもいろいろなことが起こります。棚卸しというのは、ネガティブなことだけではなく、良い行い、自分の資産というのもちゃんとカウントするものです。ステップ4のところで、ポジティブなものも棚卸しする、というところがちょっと抜けてしまいましたけど、ポジティブな面も資産としてちゃんとあげておく必要があります。酒を飲まないでソブラエティの生活に入って1番意識しやすいのは、悪いところが出ちゃったときです。自分の棚卸し。自分の何がいけなかったか。間違いに気づいたら、すぐ認める。このステップ10をやることで、すごく生きやすくなります。
「自分がまずいことをした! 自分がダメだった! ああすべきだったのにこうしちゃった!」…こんな感じで認めないから、悩み・苦しみが延々と続くわけです。慣れてくると、どんどん簡単に認められるようになりますが、最初はやはりなかなか難しいですね。
「確かに、私も悪かったけどさ、だって、向こうが◯◯だからさ…」みたいな、相手にも非があるみたいなところにこだわっちゃうんですけど、ステップ10を実行しつづけることで、ぐずぐずしている時間が短くなっていきます。すごく楽になります。自分の間違いを認めてしまうえば、次にやるべきことがわかります。まあ、たいていの場合は、謝るとか、態度改めるっていうことでしょうかね。そうやっていくと、どんどん、社会生活、人間関係が楽になっていきます。次のステップ11は、心の深いところを育てていくところといえると思います。
ステップ11
祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
Sought through prayer and meditation to improve our conscious contact with God as we understood Him, praying only for knowledge of His will for us and the power to carry that out.
祈りと黙想の提案です。
回復のステップを頼りに生活する中でも、当たり前ですが、傷つくこと、自分や他人、社会に対する怒りの感情にとらわれたりすることなど、やはり生きる苦しみに日々出会います。逆に生きる喜び、感謝、愛情なども知るようになります。こうしたすべてを、祈りと黙想を通してハイヤーパワーと触れ合い、ハイヤーパワーの意志を知るように努めます。ステップ10とも深く関わってきますが、これを1日24時間、つねに実行して行きていく、ということです。
最後のステップ12は、集大成というか、まとめです。
ステップ12
これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージをアルコホーリクに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。
Having had a spiritual awakening as the result of these steps, we tried to carry this message to alcoholics, and to practice these principles in all our affairs.
AAワールド・サービス社の許可のもとにより再録
ビックブックでは12ステップが書かれたあと「『何ていう要求なんだ! とてもじゃないがやり通せるものではない!』 と私たちの多くが叫んだ。でもがっかりしないでほしい。私たちの誰一人として、これらの原理を完全に実行できたという人はいないのだ」と続きます。
このプログラムを完成する人は誰一人おらず、みんながこの12ステップを道標として、霊的な成長を続けていく、ということですね。
…ということで、私なりに説明させてもらいました。12ステップは、間違いなく私が生きていく上での指針になっていますし、世界中で多くの仲間が…今年2025年、AAは90周年を迎えますけど、この90年の間に何百万人、何千万人ものアルコホーリクが、このステップを踏むことで、暗闇の中で、死を待つだけ、みたいなところから、普通に生きられるようなり、幸せな人生を過ごせるようになりました。そんなすごい実績のあるプログラムなので、私もこのプログラムに取り組むことになれたのは、とても幸せなことだったと思っております。機会を改めてステップに関わる私の体験談のほうもあげていきたいと思っています。どうもありがとうございました。
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