お酒を飲まずに生きるには

今、この瞬間を大切に ―― 2002年1月 ――

「飲み足りないアル中は、酒をやめられん」とは、断酒会の父、松村春繁氏の言。酒に依存しはじめて、はや十年。私は飲み足りたのだろうか? 現在三十三歳の私は、これから酒のない人生を送ることができるのだろうか?

「立派なアルコール依存症ですよ、あなたは。このままでは転落していく人生がまっています」と、医師に告げられたその時、実はほっとした。この十年間、自分の思うように生きられず、酒にのめりこんでいったのは、私が意志が弱くてダメな人間だからではなく、病気だったのだ、しかたなかったのだ、と思ったからである。

しかし、同じ病をもつ仲間に囲まれて落ち着いた今、考え方が変わった。病気が私をダメにしていたのではない。私自身が生き方を間違えていたのだ。だから、病気がそれを教えるために、私に取り憑いてくれたのだ。生き方を変えなくては、病気はますます張り切って私に取り憑くにちがいない。
今、生き方を変えなければ、過去と同じ未来が待っている。

なにがあっても、自分を大切にしよう。無理をしないで生きよう。今、生きているこの瞬間を大切にしよう。 「一瞬先は闇」だから明日のことなんか考えない。過去はいいことも悪いこともみんな財産。だから、心の引出しにしまっておく。

縁あってアルコール依存症という病が、私の心身に住み着いた。なんでも生涯出てゆけないらしい。この病は手ごわい。つき合っていくのが難しい。取り憑かれたままだと、心身が破壊される。でも上手につき合えば、今日一日を大切に生きることに目を向けさせてくれる存在に化ける。ただ、あまりに強力な相手なので、ひとりではうまくつき合うことができない。だから、同じ病をもつ仲間の力が頼りの綱だ。それを忘れないようにしたい。

駄文ひとすじ ~載りも載ったり十七年 ~

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