お酒を飲まずに生きるには

AA武者修行in ニューヨーク ~ハイヤー・パワーに導かれて~

 

アルコホーリクのみなこです。昨年の「BOX-916」9月号に、カナダ、トロントでのAA70周年記念大会について投稿させていただきました。その後も私の旅は続き、アメリカまで行ってきました。その体験を分かち合いたいと思います。

<ハイヤー・パワーに導かれて>

トロントからバスで南下、国境を越え、13時間かけてニューヨークに入った。ハーレムの安ホテルから、中華街の商人宿に移って数日。あるミーティング会場でJに出会った。私と同年輩、小麦色の肌の彼は、私のつたないスピーチを聞いて大喜び。「コニチワ。日本人なら大歓迎。ボクは、先週、日本から帰ってきたところさ」

彼は、旅行途中に日本にたちより、NAの施設を訪れた。日本の仲間たちは、彼を大変あたたかくもてなしたようだ。彼はすっかり親日家になったらしい。親切にも、私をアパートにおいてくれそうなAAのメンバーに心あたりがあるから聞いてみるという。とりあえずお願いしてみた。

その時点では、早々にニューヨークをきりあげるつもりでいた。北米大陸を横断するか、カナダにもどるつもりだった。ところが、Jの話はあっという間に進み、3日後には、バックパック1つかついで、ルームメイト、Vickyのアパートに移動した。ニューヨークの単身者は、あたりまえのように誰かと部屋をシェアしており、これをルームメイトと読んでいる。ルームメイトに出会えたおかげで、私は2ヶ月近く、かの地に滞在することができた。彼女のところの部屋代が安かったからである。

縁とは異なもの。あのミーティング会場、残り3分のところでメンバーの発言がとだえた。おもわず手を挙げなければJとは出会えず、ニューヨークでミーティングざんまいの生活を送ることもなかった。すべてはハイヤー・パワーの意志だろう。

こうして、マンハッタンのダウンタウン、庶民の町イースト・ビレッジを拠点に、AA武者修行の旅は始まった。英語もわからず、お金もあまりない。けれどもこれはハイヤー・パワーの思し召し。

「頼もう、頼もう。日本から参上!」

気分は、そんな感じであった。

<24時間、ミーティング!>

ニューヨークのミーティング事情を簡単に。これまで「ニューヨーク」といってきたものの、マンハッタン地区に限った話である。マンハッタンは、ニューヨーク市の、ごく一部を占める地区で、東京の山手線の内側と、ほぼ同じ面積。ニューヨーク市はマンハッタン地区の約13倍の面積がある。広い。さらにニューヨーク州となると、その面積は、日本の「国土」の3分の1にもなる。

では、そのマンハッタンにミーティング会場は、いくつあるか。会場だけで、約360ヵ所。そこで、週に1100回をこえるミーティングが行われている。東京の山手線の内側くらいのところに、これだけミーティングがあるのだ。ほぼ、24時間どこかで会場が開いている。さすがに、早朝、夜中のミーティングは数が限られている。

メンバーも多い。近所に買い物にでかけて、メンバーに出くわすことも、たびたび。これでは、酒も買いにくい。私の居たアパートの棟にも私以外のメンバーが2、3人。6階建のアパートだと、それくらいの割合でメンバーがいるらしい。アルコホーリクが住むにはほんとうに良いところだ。歩いていけるご近所に会場がいくつもある。

<ミーティングはどんなふうか>

最も一般的な、オープン、もしくはクローズのディスカッションミーティングを見てみよう。こんな感じで進む。

・序文朗読(司会者が、参加者の中から適当に選んで朗読を依頼する)

・“How it works”朗読(日本のハンドブック「第5章」と同じ)

・ソーバーが90日以内の人を挙手させる(1人ずつ、名前とソーバーが何日か告げ、拍手を受ける)

・ソーバーが1年以上で、その月がアニバーサリー(バースデー)の人を挙手させる(1人ずつ、名前と、何年になるのか告げ、拍手を受ける)

・AAに関する連絡事項

・スピーカーが話す(20~30分前後)

・メンバーが分かち合う。挙手をし、メンバー1人につき、5分程度、話す。

・閉会時間がくると、全員でチェーンハンドし、「小さなお祈り」に続き、”Keep coming back! It works if you work it so, work it. You are worth it, and Live it”と唱和。拍手して終わり。

<どこが、日本と違うのか>

 ミーティングは「分かち合い」の場である

ミーティングの多くは、日本でいう「スピーカーミーティング」だ。スピーカーの話を聞いて、その内容を分かち合う(シェアする)。分かち合いたければ、手を挙げて話す。多くのメンバーがいっせいに手を挙げるので、司会者が指すことになる。話す内容はあくまで、スピーカーの話に基づく。日本のように、各自の感情や個人の物語を吐き出すことは少ない。では、それは、どこでするのかといえば、スポンサーシップや、フェローシップの中でするのである。

 スポンサーシップが不可欠

きちんとしたソブラエティを築くには、スポンサーとともにプログラムをやるしかない。ミーティングに出席するだけでは片手落ちだ。なぜならミーティングは「言い放し、聞き放し」だから。それでは、プログラムから外れても気づかないし、霊的成長を遂げることもできない。プログラムとは何かといえば、私のみたところ12のステップの実践であり、すべてはビックブックに基づいている。

 ミーティングあれこれ

ニューヨーク滞在中、約30会場、100回のミーティングに通った。どのようなミーティングがあったか、思い出してみる(以下、Mはミーティング)。

ビックブックM、ステップM、ビギナーズM、メディテーションM(最初の20~30分、黙想。ステップ11と合わせている場合が多い)、アニバーサリーM(メダルM)。女性・男性クローズドM、同性愛者M、芸術家(アーティスト)M、トピックM(日本のテーマMに近い)など、さまざま。

けれども、より多様さを感じたのが、集まるメンバーの顔ぶれだ。人種も白黒茶黄色と入り混じり、年齢、職業、社会的地位(この辺は推測)もまちまち。会場によっては、独特のカラーがあったりもする。ニューヨーク大学の中のミーティングは、やはり若いメンバーが多かったし、シナゴーグでのミーティングはユダヤ人とおぼしきメンバーがほとんど。裕福そうなメンバーが多いところもあれば、その反対も。私はダウンタウンに居たので、ミッドタウンのほうにいけばビジネスマンばかりの会場もあったのだろうと思う。とにかく、「たくさん」「いろいろ」なのであった。

<旅の終わりに>

この旅は、ハイヤー・パワーの賜物であった。得たものは、ハイヤー・パワーへの信仰心の深まり。そして自分の生きる目標が「霊的成長を遂げること」であるという確信。わずか3か月たらずの旅で、得たものは驚くほど大きい。

人生は、霊的成長をするための旅である。そして、私たちAAメンバーは、プログラムがあって、ともに取り組む仲間がいれば、世界中どこへいっても大丈夫なのである。

駄文ひとすじ ~載りも載ったり十七年 ~

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